もし叶うことならば、本来の自分の髪を増やしたいと願っている方は多いのではないでしょうか。
薄毛治療の新たな治療法として注目を浴びているのが「サイトカイン療法」です。

この治療では、脂肪などから採取した幹細胞を培養し、そこから分泌されるサイトカインを頭皮に注入します。
それによって、毛髪の再生を行うという画期的な治療であり、あなたの薄毛治療の救世主となるかもしれません。

薄毛

サイトカイン療法による毛髪再生とはどんな方法なのか。
その仕組みと実際の治療の方法、リスクなどについて解説していきます。

毛髪再生治療は毛周期を利用した治療法

サイトカイン療法による毛髪再生とは、自分の髪を細胞レベルから活性化させて発毛を促すという画期的な方法です。
今までのようにお薬を飲んだり、塗ったりするのではなく、細胞の成長を促進するサイトカインを用いて髪を再生させるという新しい治療です。

幹細胞

無理に発毛させるのではなく、髪本来の生え変わりの周期を利用し、自然のサイクルで発毛できる状態を取り戻します。
まずは、仕組みを理解する上で、髪の生え変わり周期(毛周期)について理解しておきましょう。

毛周期

毛周期

髪は一生同じ毛が生えているのではなく、新しい毛が生えては抜け、再び生えるという周期を繰り返しています。
毛根にある毛乳頭という部分で細胞分裂が繰り返され、毛母細胞が増えることで生えるのです。この毛母細胞が正常に働かないと髪の「毛周期」が乱れてしまいます。

毛周期というのは、毛が生えて抜け落ちるまでの一定のサイクルのことです。
髪の場合には10日で3~4mmほど伸び、3~4年の成長期を経てその後抜けていきます。一旦抜け落ちると再度生え変わるまでに、4~5ヶ月の休止期間があります。

そして、抜け落ちた所から再び毛が生えてくるというサイクルが正常な毛周期です。

サイトカイン療法で髪の発毛スイッチを押す!

毛髪が生えるとき、毛の根本にある「毛包(もうほう)」という部分にある「毛母幹細胞」のスイッチが押されることで発毛が促されます。

毛包
しかし、薄毛や脱毛の人の頭皮では、毛が一旦抜け落ちてから休止期に入っている部分が多いため、毛髪が正常に生えてこなくなっています。
サイトカイン療法による毛髪再生では、髪の元となる毛母細胞への成長を促すためのサイトカインを頭皮に注入することで発毛を可能にします。

サイトカイン療法による毛髪再生の方法

日本の医療機関で受けることができる毛髪再生には次のような種類があります。

発毛効果

・成長因子を利用したグロースファクター法
・HARG法
・サイトカイン療法

グロースファクター再生療法

発毛に必要な成長因子(グロースファクター)を利用した毛髪再生治療です。
成長因子とは体の中で細胞を特定の働きや機能をもつ細胞へ成長(分化)させる作用のあるたんぱく質の総称です。細胞と細胞の間のシグナルとして働きます。

発毛に有効な成長因子としては、「KGF(ケラチン細胞増殖因子)」が代表的です。

グロースファクター再生療法では、KGFのような特定の成長因子を使用します。
治療では頭皮に濃縮した成長因子が入った液体を浸透させ、正常な毛髪のシグナルを発動させて髪の成長・維持を促します。

HARG療法

注射

幹細胞から抽出した150種類以上もの成長因子を頭皮へ注入していきます。
そして同時に、HARGカクテルと呼ばれる「ビタミンB」「ブフロメシル」「システイン」も併用して治療します。
これらを同時に注入することで毛包を蘇らせ、毛母細胞を刺激して発毛を促します。

サイトカイン療法

幹細胞とは様々な臓器や組織などの細胞に成長する細胞です。


薄毛や脱毛に悩んでいる人の頭皮は毛包の機能が落ちて、正常な発毛サイクルが失われている状態となっています。
すなわち、毛包細胞を刺激する脂肪前駆細胞の働きが弱っているため、発毛スイッチが発動しない状態なのです。

そこで、サイトカイン療法では幹細胞から分泌されるサイトカインの力を借り、毛包細胞を刺激して発毛させます。

まずは脂肪組織などの幹細胞を採取。それを培養させることによってサイトカインが豊富に分泌されます。
それを頭皮へ注入することで、脂肪前駆細胞へと成長させて毛包細胞を刺激するというメカニズムを利用して治療します。

サイトカインを定期的に補充することで長期間に渡って発毛効果を得ることも可能です。
本来の「生える力」を手に入れること、抜け落ちても再び生えるという本来の「毛周期」を取り戻すことができる画期的な方法になります。

サイトカイン療法と既存の薄毛治療・AGA治療との違い

薬を飲まなくても発毛できる

多くの医療機関に普及している薄毛治療として、AGA治療薬を使った治療法があります。
一定の薄毛タイプには効果を発揮するものはタイプによって効果に差があり、またホルモンに作用するため副作用の問題で飲み続けることが難しい人も少なくないようです。

AGA

さらに、AGA治療薬は毛周期のサイクルを縮めることで発毛を促しますが、服用を止めると再び元の状態に戻ってしまうという問題もあります。

一方で、再生医療の技術を応用した薄毛治療では、薬を飲まなくても発毛することが可能です。従来の治療では効果が得られなかった人にとっても、発毛を可能にする画期的な方法となります。

男女差なく治療が可能!

サイトカイン療法による毛髪再生は男性に限らず、女性でも受けられるのがメリットの一つです。

更年期障害

実は女性の場合、男性と薄毛のメカニズムが異なるため、男性と同様のAGA治療薬を使って薄毛を治療することができません。
しかし、女性の薄毛は美容面においても気になる人が多く、そのことに悩んでいる人にとっては深刻な問題です。

治療の選択肢も従来までは限られていたため、諦めていた人も多いのではないでしょうか。

この毛髪再生は、サイトカインを用いるので女性でも治療を受けることができます。
スカルプケアや塗り薬などでは十分な効果が得られなかった人にとって、優れた効果が期待できる新たな一手となるはずです。

通院する回数が少なくて済む

最初は数回の通院が必要ですが、その後は数ヶ月から、治療によっては数年間効果が持続する場合もあります。
一度受ければ一生発毛できるというほどの持続効果はありませんが、サイトカイン療法は飲み薬のように毎日飲まないといけない、毎月の通院が必要というような制限が少ないこともメリットです。

サイトカイン療法による毛髪再生のデメリットは?

まだ臨床応用が始まってから日が浅いため、全ての病院やクリニックで治療が受けられるわけではありません。
また、新しい技術なだけに知られていないことも多いというデメリットもあります。リスクを十分に理解した上で治療を受けるようにしましょう。

保険適応外であり費用がかかる

この毛髪再生は大規模な臨床試験などの実績がまだ少ないため、客観的な統計の元に効果が実証されている方法でありません。
そのため、日本の厚生労働省では健康保険の適応が認められていないのが現状です。そのため、費用がかさみやすいというデメリットがあります。

HARG療法の場合で1回10万円前後。6回以上治療を受けると効果が高いとしている病院が多いのです。つまり、全ての治療に60万円以上はかかることも少なくありません。

副作用については未知な部分もある

サイトカイン療法による毛髪再生は、まだ実用化されて間もないため、症例数も多くなく副作用として未知な部分も少なくないというリスクはあります。
しかし、AGA治療薬のようにホルモン作用をもつ薬剤を使用するわけではなく、そもそも体の中に存在する物質であるため、安全性は高いとされています。

医師のカウンセリング

事前にお医者さんと相談し、十分な説明を受けてから施術を受けるようにしましょう。

これまでの薄毛治療で満足できなかった人こそサイトカイン療法を

今までの治療では効果が得られなかった人、満足できなかった人、何らかの理由で治療ができなかった人にとって、このサイトカイン療法による毛髪再生は、大いに効果を期待できます。
諦めてしまっていた人には画期的な方法であり、さらに効果の持続性や安全面などを考えても、有用性は高い治療といえます。
ぜひ、悩んでいる人は専門の病院やクリニックで相談してみてはいかがでしょうか?


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